RECOMMENDATIONS

一級建築士が語る
wall proの魅力とは?
表情豊かな壁紙で、
自分が求める空間づくりを

mv

シンコールの壁紙シリーズ「wall pro」(ウォールプロ)は、和紙やふりまき、織物など、素材を取り込んだ個性豊かで趣のあるデザインが特徴で、さまざまな空間コーディネートが可能です。

壁は建物において多くの面積を占めるため、どのような素材や壁紙で表現するのかによって、空間の印象や建物全体のコーディネートにも大きく影響してきます。

今回は、一級建築士でShibayama Architects代表の柴山継広さんに、wall proの魅力や使い方、施主が壁紙を選ぶ際のポイントや注意点などについて話を聞きました。

THEME 01

壁のデザインは、コンセプトで決まる

――建築士が個人邸宅などの建物を設計するとき、壁まわりのデザインはどのように決めていくのでしょうか?

柴山継広さん(以下、略) 「建物のコンセプトに合った素材」を選ぶことからスタートします。壁はクロスと呼ばれる壁紙を貼るだけでなく、土壁や漆喰、珪藻土などを使う技法もあり、それぞれの素材によって演出できる雰囲気が異なります。

建物のコンセプトとは、「どういう空間をつくりたいか」ということ。明るい雰囲気の家にしたいのか、暗めのトーンで落ち着いた家にしたいのかといった基本的なところから施主と確認していきます。日本人が住宅を建てるときは、明るく清潔感のある家を好む人が多いですね。コンセプトを決められない場合は、建築士側からさまざまな形で提案していきます。

――壁紙以外の土壁や漆喰、珪藻土といった技法は、それぞれどういった表現の特徴があるのでしょうか。

いずれも自然素材を生かした技法で、素材や触感がもたらす空間の豊かさがあります。

自然素材の壁は和室で使われるイメージがありますが、最近はそうとも限りませんし、海外の建築にも取り入れられています。たとえば、イタリア周辺で施工されているイタリアンスタッコという技法でも、漆喰が使われています。漆喰ひとつとっても、近年は色や塗り方による表現デザインが広がり、モダンな空間を演出するときに使われるなど、用途は広くあります。

こうした技法で作られた壁の良さは、素材にムラがあること。味がある空間を作りたいなら、均一すぎない素材が適しています。

THEME 02

自分のこだわりの空間を演出できるwall pro

――シンコールの壁紙シリーズ「wall pro」は、個人邸宅を建てる際、どのように使うことができそうでしょうか?

土壁や漆喰などで表現されるような味のある空間を、左官職人を必要とせずに短い工期で作れる新たな選択肢になると思います。

職人が不要なので予算が抑えられるメリットがありますし、wall proは他の壁紙と比べて素材感や質感が段違いで、品番ごとの表情も多様なので、自分のこだわりの空間に仕上げることができます。

例えば、寝室を味のある壁にして心地よい空間にしたいものの、リビングとは異なり来客がないので、施工に時間と費用の課題があるケースも想像できます。そうしたときは、wall proを使うと自然素材の雰囲気を演出できるでしょう。

SW30003

商品ページへ

建築士の中には、壁紙の表現が「wall pro」のように進化していることを知らない人も少なくないでしょう。最適な予算と工期で施主が望む住宅を建てるために、こうした選択肢があることを知っておくといいと思います。

もうひとつ、壁紙ならでは利点としては、張替えができるということ。住まいというのは、ライフスタイルの変化によって、空間の使い方やコーディネートが変わってくることもあります。例えば、お子さんの独立後に、子ども部屋として使っていた洋室をご両親の個室やワーキングスペースにするといった変更はよく見られます。

その際に壁紙なら、子どもらしい明るい色からwall proのシックな色の繊維系壁紙をセレクトして、落ち着いた空間へと変える。そんなふうに簡単に空間を作り変えることができます。これは土壁や珪藻土ではできないことです。

THEME 03

wall proには、素材がもたらす多様な表情がある

――wall proには、どのような魅力があると感じられますか?

機能面と空間デザイン演出の2つの観点で、魅力があると思っています。

まず機能に関しては、自然素材の雰囲気がある壁にしたいと思ったとき、wall proは不燃もしくは準不燃の認定が取れているので、建物の防火面で問題なく用いることができますし、この壁紙ならではの自然素材の質感を出せますね。

空間デザインの点でいくつか魅力を挙げると、ふりまき素材は高級感を演出できます。例えば、多くの時間を過ごすリビングやダイニングの空間にこだわりたい人は、ふりまき素材の壁紙を使うと、ゴージャスでありながら落ち着いた雰囲気になると思います。ハイグレードなマンションの廊下や共用部に使うのもいいですね。

SW30180

商品ページへ

繊維素材は、この壁紙ならではの立体的な空間を作れます。これまで建築士が主に選んできた土壁や珪藻土、漆喰といった技法では出せなかった、繊維ならではの温かみややわらかさも表現でき、壁の平面に立体感で出てくる。それにより、空間の印象も大きく変えられると思います。

実際の繊維は可燃性があるので壁には使用できませんが、先ほどもお伝えしたように準不燃の壁紙であればその問題もクリアし、今までにないデザインが可能になると思います。

THEME 04

壁だけでなく、天井やアクセントとしても

――wall proシリーズの中でも、気になる壁紙をセレクトしていただけますか。

たとえば、織物素材のSWT30159は木のような質感もあり、天井に用いるのも一案です。
木や竹を平面状に編んだ網代天井の雰囲気を出しながら、モダンに仕上がります。

SW30004はリサイクル糸を使っていて、布のような雰囲気がある壁紙です。ソファの背もたれの後ろなどに、パネルとして使うのもいいと思います。特徴的な質感やデザインをもつ壁紙は、こうしてパネルにしたり、壁の1面だけアクセントで使ったりする方法もありますね。

オーガニックコットン素材のSW30009は、和紙とクロスの間のような風合い。オーセンティックすぎず、モダンな和室にしたいときなどに適していると思います。和紙と同じように継ぎ目が出るので、その特徴を生かせる場所で使えます。

――最後に、一般の方が壁紙を選ぶときのポイントを教えていただけますでしょうか。

壁紙のカタログを手にしたとしても、まずは空間のコンセプトから考え始めましょう。かっこよくしたい、かわいくしたい、和風にしたい、洋風にしたい、といった抽象的なことで大丈夫です。コンセプトをうまく言葉にできなければ、SNSや雑誌などで気に入った部屋の写真をたくさん集めて、建築士に共有するのでもいいと思います。

そして、壁紙はカタログだけで決めないこと。カタログから候補となる壁紙をいくつか選んだら、A4サイズほどのサンプルを取り寄せるひと手間はかけたほうがいいですね。

できるなら、壁4面と天井と床を合わせた6面すべてのサンプルを用意して、立体的に組み合わせてイメージを膨らませるのが理想です。私たち建築士も、必ずサンプルを取り寄せて組み立ててから、設計を決めていきます。

施工に進んでしまうと後戻りできないので、サンプルで確認してから壁紙を決めることをおすすめします。さまざまなサンプルを見て、こだわりの空間づくりを楽しんでください。

柴山継広(しばやま・ひでひろ)
一級建築士。立命館大学理工学部環境システム工学科卒業(建築意匠研究室)卒業後、自然食レストランを共同設立。建築スタジオ、設計事務所を経て、2016年にShibayama Architects 設立。